光センサとは、原理からその応用

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光センサとは

光センサの概要



 
 光センサは、光の量や光の波長(エネルギー)を測定することで、物体の有無や位置、色、温度、物質の特定など、さまざまな情報をセンシングするセンサです。受光の有無を検知する受光センサには、フォトダイオードフォトトランジスタ、赤外線を受光して非接触で温度を検知するサーモパイル温度センサなどがあります。また、光源となる発光素子と組み合わせて光の反射や透過の有無を検知することで、物体の有無や位置を検知するフォトインタラプタや、距離を検知する赤外線測距センサ、回転を検知する光学式エンコーダなど、さまざまなタイプのセンサがあります。これらの光センサは、つぎに示すように様々な分野でさまざまな用途に利用されています

1.産業機器
機械の動作検知や制御、温度検知、製造業における品質管理や検査、工場や倉庫の照明制御、etc
2.医療機器
血液酸素濃度の測定、体液等の色検知、機械の動作検知や制御、脈拍や血圧の検知、etc
3.家電機器
機器の動作検知、照明装置の制御、スマートフォンやモニタの自動輝度調節、温度検知、家庭用ロボットの障害物検知、etc
4.事務機器
プリンターやコピー機での機器制御:用紙供給の制御、用紙有無の検知、用紙サイズの検知、インクの定着部ローラーでの温度制御、etc
5.自動車
機器の制御、車両の自動運転システムにおける環境認識、etc
6.環境計測機器
ほこりや有害ガスの検知、温度分布検知、光量や日照時間の検知、etc

以下に、光センサの要素技術と、その応用について示します。

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光センサの要素デバイス

受光素子、発光素子の概要

 光センサは半導体である受光素子で光(電磁波)を受光し、それを電気信号に変換し情報化することにより、様々な状態を検知します。さらに加えて同じ半導体である発光素子と組み合わせることにより、透過・反射の有無を検知するセンサもあります。この章では、光センサの要素デバイスである受光素子と、発光素子について示します。

2‐1.受光素子(フォトダイオード:PN接合)での光電効果と光起電力

図1.PN接合での光電効果と光起電力
 光を受光し電気信号に変換する素子としては、フォトダイオードフォトトランジスタ、フォトICなど、様々なタイプの素子があります。なかでも本項では最も基本となるフォトダイオードについて示します。
 光電効果とは、物質に光を照射することで起電力が発生する現象です。半導体の場合では、そのバンドギャップより大きいエネルギーを持つ光が当たった場合、そのエネルギーが半導体内の電子に吸収され、電子は価電子帯から伝導帯に励起されます。この励起された電子は、自由電子として振る舞い、半導体内を移動できるようになります。これを外部に取り出すには、半導体PN接合やショットキー接合などの内部電界による整流作用を持つ構造が必要となります。図1(a)に、半導体PN接合からなるフォトダイオードの構造を示します。図1(b)に、そのバンド図が示します。光が半導体PN接合に照射されると、空乏層中で電子と正孔の対が生成されます。PN接合によって生じる電界により、電子はN型領域へ、正孔はP型領域へ移動します。このため、この接合間では受光により電圧差が生じ、図1(a)の端子AとB間に電位差が生じます。端子を接続すると電流が発生するため、この効果を利用して受光した光の強弱を起電力による電気信号として出力することができます。単体で使用する例も多々ありますが、次に示す発光素子と組み合わせて使う光センサも非常に多いいです。

受光素子(フォトダイオード)のさらに詳しい内容はこちら
受光素子(フォトトランジスタ)の説明はこちらをご覧ください。
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2‐2.発光素子(発光ダイオード:LED)

図2.発光ダイオードのエネルギーバンドと断面図
 光センサで重要な役割を行う発光素子(発光ダイオード:LED)について示します。図2(a)にPN接合のエネルギーバンド図を示します。この図は熱平衡状態のもので、N側からP側へはポテンシャル障壁があるため、接合を通しての電荷移動は起こりません。今、外部からPN接合に順バイアスをかけるとポテンシャル障壁が減少し、(図2(b))に示すように伝導帯の中で電子がN側からP側に流れ、価電子帯の中では反対方向に正孔が流れます。これが少数キャリアの注入です。少数キャリアの注入が起こると、熱平衡状態よりも余分の少数キャリアが存在することになり、高エネルギー状態にあって不安定なため、比較的短い時間内に空乏層近傍で価電子帯に落ちてエネルギーを失い消滅します。この再結合の際、失われたエネルギーの一部として光が外部に放出されます。これが発光素子(発光ダイオード:LED)での発光の原理となります。

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次に示す最も一般的な光センサの一つであるフォトインタラプタでは、発光部と受光部を自身に持ち、発した光が物体に反射または透過して受光されることにより、物体の有無や移動を検知します。

フォトインタラプタの概要



 
 フォトインタラプタとは、光を発する発光部と光を受光する受光部で構成され、遮蔽物による光路の遮断または反射により生じる光量の変化を測定することにより、物体の有無や位置、移動を検知する最も汎用的に使用されている光センサです。その光学配置から、下図に示すように①透過型フォトインタラプタ、と②反射型フォトインタラプタに分類できます。①の透過型では発光部と受光部が対向しており、遮蔽物により光路が遮られることで検知を行います。②の反射型では対象物が生じた時に、その反射光の強度変化を受光することによって検知を行います。
図3.フォトインタラプタ
 また、形式としては、発光部と受光部が、分離している③分離型フォトインタラプタ、備え付けレバーを介して発光部・受光部間の光路を遮ることによって検知する④アクチュエータ付きフォトインタラプタなど、コーデンシでは多様な形式を開発しています。

フォトインタラプタのさらに詳しい内容はこちら

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透過型フォトインタラプタ
反射型フォトインタラプタ
分離型フォトインタラプタ
アクチュエータ付きフォトインタラプタ

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光センサの種類

図4.光センサの分類
 光センサには、さまざまな種類があります。図4は、コーデンシが開発しているセンサの一部を示しています。先に述べたように、光センサは、①光を受光しセンシングを行うセンサと、②受光部と発光部がセットになったセンサに大別されます。さらに、受光素子の分光感度特性を人間の目に合わせることで、人間の感じる明るさを検知する照度センサや、受光部で反射光の光点の位置を検出することで対象物からの距離を測定できる三角測量方式赤外線測距センサ、また、発光部の光源を1つではなくRGBの3波長とし、対象物からの反射光または透過光の比率を求めることで色を判別するカラーセンサなど、受発光部の工夫によって様々な特性を検知するセンサがあります。このように、光センサは、検出波長、検出感度、検出位置、検出部の形状などを調整することで、様々な特性を検知できます。

詳しくは下記リンクをご参照ください
受光素子照度センサ光学式エンコーダ赤外線測距センサほこりセンサ透明体検知センサ透過型フォトインタラプタ
反射型フォトインタラプタ分離型フォトインタラプタアクチュエータ付きフォトインタラプタサーモパイル温度センサ

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光センサの応用

 光センサは、さまざまな情報を光でセンシングします、そのため、多種多様な用途と種類があります。ここでは、その応用について示します。

5‐1.産業機器分野への応用

図5.産業機器への応用
 産業機器において、可動部の精密な位置や回転の制御は重要な要素となります。コーデンシでは位置の検知を行うフォトインタラプタや工作用ロボット・工作機器の可動部の回転制御に欠かせない光学式エンコーダーについてソリューションを提供します。フォトインタラプタでは各種用途に対応可能なラインナップを有しています。また、光学式エンコーダでは従来の透過型エンコーダーとともに、小型化可能な反射型エンコーダーも開発しています。

透過型フォトインタラプタ
物体の有無や位置の検知を行うセンサ。
・各種ギャップ、スリット幅、反射型、透過型、取付方法など多種多様なラインナップがあります。

FAエンコーダ
投光素子と受光素子が一体で実装が容易な透過型産業機械用エンコーダ。
・サーボモータ制御用の6chデジタル出力の取り出し可能。
・LED光量低下のフィードバック機能あり。
・分解能:5,000CPR/2,500CPR。

反射型エンコーダ
小型3.0*2.2*1.1mmで小さいスペースへの実装が可能な反射型エンコーダ。
・2chデジタル出力により、移動方向、移動量、移動速度の検出が可能。
・分解能:最大360LPI リニア・ロータリーディスクに対応。

5‐2.家電機器分野への応用

図6.家電機器への応用
 コーデンシのセンサーは身近な所でお役立てしております。空気の質や、お部屋の明るさ、人体の有無などセンシングが可能なセンサーをラインアップしております。省電力化や、スマートハウス実現に向け寄与しております。

ほこりセンサ
空間に浮遊するほこりに赤外線を照射し、その散乱光を検出することでほこりの量を検出するセンサです。
・独自構造で小型化(W34*H39*D13.8 mm)と粉塵の流れをコントロールしています。
・空気質をモニタ可能なので、空気清浄機や、エアコンにご利用できます。

赤外線測距センサ
非接触の距離センサーです。対象物までの距離を非接触で検出します。お掃除ロボットの段差検知や、トイレや事務機器などの人体検知、非接触のスイッチ操作に利用できます。三角測量方式を採用しており、対象物の色への影響が少ないのも特徴の一つです。

照度センサ
明るさに比例した出力が得られます。部屋の明るさを検知することで照明の調光や、ON/OFF、省電力モードへの切り替え、ディスプレイや防犯カメラの調光などに利用できます。

5‐3.事務機器分野への応用

図7.事務機器への応用
 用紙有無検出・用紙搬送モニター用に、各種センサにて検出のお役立てをしております。OA機器も年々印刷の高速化が進んでおりますが、当社センサでは追従可能です。また、省エネ化が進んでおり、低電圧駆動(3.3V)対応品、温度センサ(単画素サーモパイル)を用いてヒーター部の適温管理などを行い、省電力化実現に向けご提案しております。

ペーパーセンサ
搬送路や用紙トレイでの有無、紙詰まり、位置検知に反射型ペーパーセンサがございます。複数の検出距離仕様ラインナップがあり、弊社独自ノウハウにより耐外乱光耐性5,000Lx以上の製品もございます。

フォトインタラプタ
上記用途に加えて、トナー残量や稼働物検知に透過型センサで検出可能です。アナログ/デジタル出力、形状、投光・受光間、取り付け方法など各種ラインナップを取り揃えております。

サーモパイル温度センサ
定着部ローラー温度などの非接触検出に単画素サーモパイルセンサがございます。高速応答(50ms)かつ、温度補償回路と信号増幅用のアンプを内蔵しています。

5‐4.自動車分野への応用

図8.自動車への応用
 車載向け搭載センサや、アクセサリ系搭載品がございます。接触式スイッチセンサから、光センサ(非接触)センサへ変更により使用耐久性が向上致します。

●2chフォトインタラプタ
受光側に、2chフォトトランジスタを搭載したフォトインタラプタです。対象物の移動方向がわかるセンサとなっております。 ※使用箇所例:車載エアコン 風量・温度調整部のダイヤルコントローラ回転検知 etc。

●オートライト+日射センサ
オートライトと日射センサが当製品1個で検出可能です。 お客様のご要望により、オートライトと日射センサを各センサ1個ずつに分ける事なども検討可能です。

●紫外線量モニタ
紫外線高感度Siフォトダイオードです。
高受光感度により微弱な紫外線信号を高精度で検出することが可能です。

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光センサのご相談はコーデンシへ

図9.光半導体のプロセス
 コーデンシは、光を生み出す発光素子と光を検知する受光素子の光半導体技術を基礎に、測距センサ、フォトインタラプタ、光検知センサの3つのセンサをコア技術として確立し、これらをもとに、光学式エンコーダやサーモパイル、ほこりセンサ、光源用LEDなど、多種多様な製品を開発しています。また、光半導体の設計・開発からウェハプロセス、組み立てアッセンブリーまで一貫生産体制を確立しています。そのため、半導体チップの仕様からセンサの形状や出力方式、取付方等まで、お客様のご要望に合わせたカスタム対応が可能です。光センサは種類が豊富で、どのセンサを使用すれば良いか判断が難しい製品です。そこで、光センサの導入を検討している方は、お気軽にご相談ください。

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